ミュージックビデオとかでもよく使われるじゃない、コインランドリーって。
今まで使ったことなかったけど洗濯物がたまると乾燥だけ利用するようになったんだけど、コインランドリーの椅子で座ってる時間って無性に無心になるんだよね。
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乾燥機が回る音
「グウァン……グウァン……」
洗濯物が回る、一定のリズムを刻む機械音の中で何もすることがないからスマホを取り出すのさ。
だけど、ゲームをやっても調べ物をしてみてもまったく集中できない。
頭の中が空っぽって感じで、感情が湧いてこない感じ。
それならと、スマホをしまってボーっとしてみることにしたわけ。
何を考えるでもなく、頭に浮かんだことを少し離れたところからみている感じ。
「どれくらい時間が経ったのかな」
そう思って時計をみると5分くらいしか過ぎてないんだよね。
知らないおじいさん
自動ドアが開いて、ビニール袋に洗濯物を詰め込んだおじいさんが入ってきた。
先客に気づいたおじいさんも、ただ椅子でボーっとしているだけの僕も、お互い何事もなかったかのように一度合わせた目を逸らす。
ここだけが異空間のような雰囲気がコインランドリーにはあるような気がする。
人と接することもないし、今注目のアーティストを中心に流す有線放送の音楽も、何処にいても聞こえてくる誰かの喋り声も聞こえない空間の中、ずっと機械音を聞き続ける時間。
たまに誰かが通り過ぎて、乾燥機に石鹸の香りがする濡れたの洗濯物を詰め込んで去っていくだけ。
絡んだ糸ごと捨てる感じ
忙しく動いている人からすれば、すごく無駄な時間なんだけど、乾燥機が終わりを告げて自動ドアを抜けると頭の中がスッキリしてるんだよね。
「あぁ、夕飯なににしよう」
コインランドリーを出た後には、いつもの日常が待ってる。
なにが良いとかじゃなくて、ただ無心の時間を過ごすコインランドリーの空間。
やかましい外の世界から、数十分だけ抜け出せる。
なんかモヤモヤした気持ちが胸の中でつっかえてるときってあるじゃない?
そんな時は、ここに来れば紛れるかもしれないよ。