感受性豊かな高校生の頃、ドラマや映画の世界観に憧れて自分も同じようのことをしたい思ったことはないだろうか。
僕の場合は、それが「オレンジデイズ」だった。
大学生活はこんなにも楽しいものなのかと、当時ドラマを熱心に見ていた僕は思ったものだ。進路を決める頃になっても、ドラマを見ていた当時のウキウキした記憶が頭の中に鮮明に残っていた。
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キラキラの大学生活は努力なしでは手に入らない
大学に行くことを決めたまでは良かったけれど、僕の学力で受かる大学は限られている。高校生活の序盤は部活に、勉強に、とそれなりに努力をしていたが、後半になるにつれてそれも失速。
赤点だけ取らなければいいや、程度にしか勉強もしてこなかったわけだ。
進路を決める頃に、センター試験を受けるなんて考えがあるわけもないので、面接だけで入学できるところで学費のことも視野に入れるとなると、候補に上がった大学は数カ所だけ。
それでも当時は、これから男女で海にドライブをするようなキラキラの大学ライフが過ごせると心踊らせていた。
しかし想定外のトラブルが起きた、希望していた大学が面接前の書類審査で落ちてしまったのだ。
恋愛に友情に仲間に
僕の“オレンジデイズ計画”は早くも頓挫しかけている。焦りが僕を突き動かした結果、東京都内の3流大学に進学することができた。
ここから、華やぐ4年間を過ごすのだと思い描くのもつかの間。現実はそう甘くはなかった。
もともと、知らない人に気軽に声をかけれるタイプではない僕は、サークル活動を起点に夢の生活をはじめようと考えていたのだが、それも難しい状況だと知る。
入学してしばらくは、サークルの勧誘をしている先輩が声をかけている活発な雰囲気をイメージしていたのだが、僕と同じように、他の大学から漏れて入学した学生や目的もなく“とりあえず”で大学にきた学生ばかりのこの大学には、勧誘が行われるほど活動が続いているサークルがない。
それから友人は出来たけれど、いわゆる大学生らしいイベントも特に無いまま、過ごす毎日が続いていく。
現実とドラマのギャップ
憧れていた“オレンジデイズ計画”は、現実で叶えるための努力をしなかった僕には掴むことは出来なかった。
ただ、その場所に行けば手に入るものだと、向こうから近づいてくれるのだと、思っていては、叶えたい何かは振り向いてくれないのだ。
欲しいものがあっても結局何も持っていないと感じるなら、僕のような何かに身を任せるようなことはやめた方が賢明だと思う。
いま何かに向けて努力しているなら、それは叶えた後に“オレンジのように爽やかな後味に変わっている”なんて、くだらない例えくらいしか思いつかないほど、僕の後味は悪いわけだ。