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高校生の頃、修学旅行でホームステイに行ったらゲイだった

高校生の頃、修学旅行でホームステイに行ったらゲイだった

高校生活でメインイベントといえば、修学旅行。

当時、僕が通っていた高校からはメープルシロップで有名な“カナダ”だったわけだ。

片道10時間くらいの長旅だったと思う、普段は学生らしいイベントにさほど興味を持つことがない、ひねた性格の僕だったが夢の海外となれば話は別。

みんなと同じように修学旅行を楽しみにしていた。



違和感のあるホームステイ

修学旅行の工程はホテルに宿泊する数日間と2人1組になってホームステイする1泊が組み込まれていた。

どんな家に誰が行くのかは事前に知らされていない、ずらりと並んだ家族連れの前で名前が呼ばれると、受け入れ先が決まる運命の瞬間。

絵に描いたような海外の家族にクラスメイトが次々と呼ばれていく中、僕らが呼ばれた先の家族は黒人と白人の男性が1名づつという不思議な構成。

笑顔で出迎えてくれたので、悪い人たちではなさそうだったが、他が夫婦と子供の家族ばかりなので違和感がすごい。

ホームステイ先には他にも日本人が

車で彼らの家へと送ってもらうと、着いた家はそれなりに立派で日本の家より少し大きい建物に定番の庭付きといった様子。

招き入れられて中へと入ると、そこにはなぜか日本人がいた。

状況が掴めないまま次の行動を考えていると、僕らより少し年上に見える彼から話しかけられた。

「初めまして、よろしくね」

家族構成が分からない、日本人の存在には多少の安堵感があったものの、どんな人が住んでいる家なのかが全くもって想像できなかった。

そのあとは、家主であろう黒人の男性に部屋を案内されて夕食の時間と好きにしていいことだけ伝えられ、部屋に取り残された。

待っても何もなさそうなので外出してみる

ホームステイなので何かしらイベントでも用意してくれているのかと思っていたのに、家主が部屋を出て行ってから、かれこれ30分くらい待っても特に何か声をかけてくる様子もなかった。

このまま何もない部屋で、友達と2人で話しているには長すぎる残り時間。

とりあえず街にでも行ってみるかということになり、家主に声をかけるとバスの乗り方を教えられ、とりあえず2人だけで街へ。

知らない国の街を男子高校生2人だけで歩くというのは、ワクワクして新鮮でどこか特別感でいっぱいな気持ちになったのが今でも思い出せる。

ダウンタウンに辿りつくとあてもなく気になった店に入ったり、海がすぐそこだったので浜辺を散策してみたり、それなりに楽しんでいると日が落ちてきたことに気づいた。

何もしてくれないホームステイ先とはいえ、学校の行事できている以上は好き勝手し続けるのは流石にまずいだろう。

帰り道の手がかりは出かけるときに渡された“住所が書かれた紙”だけ、海外ではバスの乗り方さえ分からない。

行きは言われた通りのバス停で乗れば良かったけれど、帰りはどこで乗れば貰った住所にたどり着くのか検討もつかない。

辺りはすっかりと夕闇に包まれていて、路地では外国人の酔っ払い同士が殴り合いとか始めてる始末。

もう仕方ないから街に人がいるうちにつたない英語力を駆使して、道ゆく人にバスの乗り方を聞いて回った。

やればできるものだ、満足に英語を喋ることはできないにも関わらず、身振り手振りを交えて数人に聞いた結果、なんとかホームステイ先へと帰還することができた。

夕食はしょぼいハンバーガー

帰宅すると、家主は外出して遅くなった僕らには特に気にもせずに、迎えにきていた時に一緒だった白人男性とリビングでリラックスしているご様子。

入ってきた僕らに気づいた家主が「夕食は食べるのか?」と聞いてきたので、無事に戻ることができた安堵感と共に空腹に気づく。

「Yes」

ほとんどこれだけで乗り切ってる英語で夕食が欲しいことを伝えると、用意されたのはレタスとパティだけのハンバーガー1個。

正直ここまでくるとナメてるとしか思えない。健康な男子高校生がハンバーガー1個で夕食が済むはずがないのだ。

街で道行く知らない人に話しかけたのがキッカケで物怖じしなくなっていた僕は「お腹が空いている、何か肉が欲しい」と、強気の発言。

すると、しぶしぶ出してきたのがチキンヌードルという名のスープパスタ(具なし)。

冷蔵庫を開ける時に確実にソーセージが見えていたのだが、これ以上ケンカを売っても仕方がなさそうなので、渡されたチキンヌードル(具なし)を食べて自室に戻った。

日本人が再び登場

初めて家に入った時に出会った日本人が、帰ってきたようだ。

家主に不信感しか無くなっていた僕は、彼から少し話を聞きたかったので、部屋の前を通りすぎる時に声をかけてみた。

快く話を聞いてくれた彼から聞いたこの家の真実はこうだった。

「彼(家主)は悪いやつではないけど、仕事をしないでホームステイを受け入れることで生計を立てているんだ」

通りでケチなわけだ、ボランティアではなくビジネスとして受け入れているのであれば、今回のような状況も理解できる。

「ちなみに彼(家主)はゲイだよ」

あ、そうですか。うっすらとは気づいていたけれど、やっぱりそういうことね。

しかし、衝撃の事実はこれで終わらない。

「本当は彼の妹も一緒に住んでいたのだけれど、クスリで入院中なんだw」

普段は学校の対応など気にしないのだが、さすがにこの事実まで知っていて預け入れられたとは考えられない、カナダという国のユルさと学校の調査不足を呪った。

ホームステイにも色々ある

翌日、家主に車で送り届けられてクラスメイトと合流となったわけだが、彼らの話を聞く限りでは他の家族はBBQを催してくれたり、ボーリングに連れて行ってくれたりと想像する通りのホームステイらしい時間を過ごしたようだった。

去り際に家主から渡された紙袋の中身を見てみると、パサパサのジャムサンドと一緒に謎のドリンクが入っていた。

ジャムサンドを食べながら、これはある意味特別な体験だったのだと自分に言い聞かせ、空港へ向かうバスの中で音楽を聞いて気を紛らわせて、僕の最初で最後のホームステイが終わった。

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